韓流ドラマの魅力と不満

韓国ドラマ「トンイ」の画像
韓ドラ「トンイ」の画像です。

韓流ドラマの魅力と不満

 

ドイツ滞在中に知人に勧められて妻が韓流ドラマを見るようになった。

「歴史モノが面白いよ」というので一緒に見るようになったが意外にもはまってしまった。

 

とにかく長い・・・。50話も60話もあるのだがそれでも飽きることなく見続けさせるだけの面白さがある。

 

それがきっかけとなって帰国してからもよくTSUTAYAのお世話になっている。もちろん日本のドラマでも好きなものは沢山あるのだが今回は韓流ドラマの魅力について少々考察してみよう。

 

まず筆頭は、むき出しな感情を自由に表現すること。

俳優ひとりひとりに表現力があるのだ。

 

日本のように売れたから出た、という安直な出演を許さないせいか質が高い。さらに登場人物は皆よく大声で叫び、怒ると机の上にある物をなぎ払う。

 

星飛雄馬の父親がちゃぶ台をひっくり返していたのを思い出す。

 

次に主人公には必ず暗い過去とその傷がありそれがトラウマとなって表舞台に出てゆくことを阻む。

 

また主要テーマに必ず「復讐」があり実に執念深く何があっても諦めない。この諦めの悪さは日本にはない。

 

悪者は極悪非道で手当たり次第に人を殺す。

全く良心の呵責はなく徹底的に悪者として描かれる。本当の悪人なんて居ない弱さから犯罪に手を染める者が居るだけだという日本から見ると、韓国には底のない闇を持つ悪が息づいている。

 

一方、夫婦や親兄弟のつながりが深く、お前たちはみんなで恋人ごっこか!と言いたくなるほどに濃厚な家族関係だ。

 

日韓どちらのドラマが優れているという事ではない。ただ韓流ドラマのように主人公の感情に振れが大きいと、それだけ鑑賞する我々の心も大きく揺さ振られてしまうのだろう。

 

文句を言いたくなるところもある。

 

恋愛になると主人公たちはなぜか全然仕事をしない。それなのに社内業績は依然トップだったりする。君はスーパーマンかね?ホントは誰かにこっそり頼んだんだろ?と問い正したくなる。

 

過去の甘い記憶を辿る場面では展開が冗長になるので早送りしたくなる。

 

ストーリーに「白血病」「記憶喪失」「子供取違え」など同じ題材が飽きずに繰り返される。おいおいまたか!と思う。

 

さらに脇役も端役もみんながみんな似たような整形美人なのも不自然だ。最初、妻は「韓国って美人が多い国だ」という感想だったが、実は殆どが整形だと判明してビックリしていた。

 

腹が立つのは、最後の最後で主人公を殺してしまう展開だ。

「海神(ヘシン)」「エデンの東」「アイリス」などの結末は大団円となり大喜びで終わっていい筈だ。

 

死ぬ理由のない主人公を殺してしまう。

監督は何を考えているのか!と腹が立って仕方ない。

 

ドラマはその国の人と心を表わす。

 

感情を押し殺した演技が評価される日本と、むき出しの表現が良いとされる韓国。でもこの最後に主人公に理由のない死を押し付けるやり方は納得できない。

 

多分、死によって主人公の業(ごう)を昇華させる意図があるのだろうが、この辺りの韓国人の死生観に未だに戸惑っている。

 

ブツブツ文句を言いながら今日もせっせと韓流ドラマを観る羅王であった。

 

 

羅王☆ラ(^王^)ノ